認定登録品種ガイド
球根ベゴニア「フォーチュン スカーレット」
ジャパンフラワーセレクション2011-2012 受賞品種
- 受賞年 2011-2012
- 部門 ガーデニング部門(苗物部門)
- 品目名 球根ベゴニア
- 品種名 フォーチュン スカーレット
- 学名 Begonia × tuberhubrida
- JFコード JF01796
- 賞名 フラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)
- 出品者 株式会社 サカタのタネ
- 育成者 サカタシードヨーロッパ
- 販売開始時期 2007年4月(種苗)、2009年9月(商品)
- 主な販売・流通時期 9月頃から12月頃まで
- 主な流通・販売地域 全国
受賞マーク
関連ファイル
審査講評
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はっきりとした綺麗な赤色の花色で、花弁の重ねも上品である。花と葉とのコントラストもとても良い。さらに、今回行った栽培試験で露地花壇でも行ったところ、屋外の雨風をうけながらも傷みも少なく、遠目から見ても綺麗であった。このことから、いろんな場面での活用が期待できることが分かった。また、これまで球根ベゴニアは、春に植栽し夏の暑さですぐに枯れてしまうものであり、イメージも「長持ちしないもの」として定着していた。しかし、このフォーチュンシリーズは、秋から12月頃にかけて楽しむ新しい商品群として提案されていることも花き業界に与える影響が大きい。これは、これまで秋のガーデン素材はアイテム数が少ないうえ、はっきりとした花色の苗物が不足していたうえ、秋の主力商品が欠乏していたことで、パンジー、ビオラ等の冬春もの苗の流通時期が年々早まってきており、秋の園芸需要がさらに縮小への傾向にあった。そんななか、同シリーズは、秋の園芸需要を牽引し、新たな需要を喚起することができる商品群として期待できる。特にこのスカーレットは、高級感がある花色と花型により、幅広く受け入れられる可能性の高い品種である。また、クリスマスシーズンの素材としても活用も期待したい。
以上のことから、品種そのものの素晴らしさだけでなく、高い将来性をもち、今後の園芸需要そのものも喚起できる秀逸な品種として本年のフラワー・オブ・ザ・イヤー(最優秀賞)を受賞した。
花の特徴
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1 早生でドワーフコンパクトを特徴とし短日期にも咲きやすいフォーチュンベゴニアスカーレット。高嶺の花だった球根ベゴニアがこの品種の登場で家庭で楽しめるようになりました。
2 今までの球根ベゴニアは花首が長く出荷時に花が落ちるほどでした。 本品種は花首が短く早生でコンパクトを大きな特徴とし10.5cmポット出荷に適します。 スカーレットは大輪で緋赤色株立ちとなる品種です。
3 9月の下旬から開花をはじめ12月中下旬まで大輪の花が楽しめる品種 雨や風にも強く露地でコンテナやハンギング、花壇植えができます。長日開花性なので晩秋~冬には球根形成に入るが低温短日期にも比較的開花が良好な品種です。
推奨ポイント
- (消費者)フォーチュンベゴニアスカーレットを使うと豪華で美しい球根ベゴニアが自宅で楽しめます。秋の時期は露地でコンテナ、花壇、ハンギングに9月~12月までパンジーやビオラと同じように丈夫で簡単に楽しむ事ができます。 冬に枯れても球根が採れます。
- (生産者)秋出荷の場合、ハウス内遮光だけで加温栽培は必要ありません。高冷地、寒冷地では9月下旬から、平坦地では10月下旬から出荷が可能です。種を蒔いてから4ヶ月、苗を購入すれば植え付け後2ヶ月で出荷できる回転の良い経済品種です。
- (小売店)9月下旬 秋の園芸シーズンが始まる時期に販売をする事ができます。 消費者に対しアピール度が抜群によく販売ロスが少ない品種です。 みずやりも花に水がかかっても問題なく棚もち良好です。
栽培管理のポイント
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(概要) 球根ベゴニア『フォーチュン』シリーズは、温暖地で秋と春に簡単に栽培できる新しいタイプの球根ベゴニアです。鮮やかな花色と、花径6~12 ㎝の中大輪の花弁が豪華な印象を与える草丈10~30 ㎝のわい性品種です。楽しみ方としては、花壇植えやコンテナ植えなどがあります。本来斜面に自生する植物のため、ハンギングにもおすすめです。今回、「日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2011(最優秀賞)」を受賞した『フォーチュン スカーレット』は、同シリーズのなかでも花径は大きく約12 ㎝にもなります。明るい赤色で、花弁は特に厚いことから、花もちにも大変優れる品種です。